社会科 2011年入職教員同士がつながり、生徒を空気のように包む

歴史教育の必要性を痛感した出来事
私は小学生の頃から漠然と「学校の先生になりたい」と思っていましたが、本格的に歴史教育に関心を持つようになったのは高校1年生の時でした。家族旅行で訪れたマレーシアで、日本軍の侵略について現地のガイドの方から話を聞き、私はそれまでその歴史を全く知らなかったことに衝撃を受けました。学校では戦争の被害については学ぶ機会があったものの、日本が他国に与えた影響についてはほとんど触れてこなかったことに気づき、「歴史を学ぶことの本当の意味とは何か?」と考えるようになりました。

歴史は単なる暗記科目ではなく、当時の状況を照らし合わせ、現在につながる視点を持つことができる学問です。歴史を教えることは、過去の出来事を伝えるだけでなく、生徒自身が「なぜ?」と考え、自分なりの視点を持つ力を育むことが重要だと考えています。
新任教師としての戸惑い
教員としてのキャリアをスタートさせた当初は、生徒との関わり方に戸惑いを感じました。どのように接するのが正解なのかを模索しながら、大声で統制しようとしたり、厳しく接したりすることもあり、教室に向かう足が重くなる時期もありました。しかし、経験を重ねる中で、教員の役割は「生徒を統制すること」ではなく、「彼らが成長できる環境を作ること」であると気づきました。

今は、生徒が気軽に話しかけられる「空気のような存在」であることを理想としています。特別に何かをするわけではなく、生徒が必要とする時にそっと後押しできる関係を大切にしたいと思っています。子育てを経験したことで、保護者の気持ちを以前より理解できるようになり、生徒一人ひとりの背景を想像しながら接するようにもなりました。教師が答えを教えるのではなく、共に考える姿勢が大切だと思います。
教員の役割分担と雰囲気づくり
学校という場では、教員一人が生徒を支えるものではなく、教職員がそれぞれの役割を持ちながら生徒を支えています。本校では、教員が得意な分野を活かし、互いに補い合いながらより良い教育環境を作り上げています。例えば、話しが上手な教員が、行事のはじめにモチベーションを上げる声掛けをし、生徒の個性をよく理解している教員が、生徒のサポートに回るなどすることで学びの効果が最大化されます。教員同士の情報共有が活発で、生徒の様子や教育の工夫について気軽に話し合える環境が整っています。

新任教員が授業準備で困らないように、過去の教材データを共有し、授業計画の負担を減らす取り組みも行っています。こうした協力体制のもとで、教員自身も学び続けることができるのが本校の魅力です。生徒が安心して学びに向かえるよう、私たち教員も協力し合いながら、温かい雰囲気を作り続けていきたいと思います。

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